ベッキーは並み居る男どもと互角のレースを展開し、スーパーガールと呼ばれるほどの速さを見せるレーサーだったが。激しい大クラッシュを喫し、マシンは炎上。死亡した。したはずだった。が、サイボーグ手術を受けて、一命をとりとめ。日本に渡り、謎めいた少女、エリナをルームメイトとして、ともに密かに生きていた。そのエリナと、ベッキーはRX-7を駆って、峠でバトルをすることに……。そのバトルで、ベッキーとエリナに変化が生じる。その変化とは。バトルは、ベッキーとエリナをどう変えてゆくのか。もしかしたらいつかの未来に起こるかもしれない、SFカーアクション小説。 | 赤城康彦 |
連日続いた依頼もひと段落。そんな凄腕ハンターのアールの元に、一通のメールが届いた。頼まれたのは、あるデータチップの運送。 ……だけでなく、車椅子の少女も同乗させることになってしまった。しかも追っ手が次々と、アール達を狙って迫ってくる!?ハイスピードアクション! ロボット対ロボットの白熱バトル!!彼らの行く先にあるのは、改変を求める未来か、それとも……。「アール。私は幸せだ……」呟く彼女の手に、涙が……落ちた。 | 秋原かざや |
大昔、まだ天地の分け目もなく、天使、精霊、悪魔、妖精など……全ての種族は一つの世界に佇み、共存していた。その世界において死後の世界と生前の世界以外の他に世界は存在せず、他の世界なんてものはお伽話の中だけのものとされていた。そんな世界で五人の子供達はお伽話にしか存在しないという他の世界に憧れ、他の世界をその目で見るために冒険を始めた――。 | 遊馬 ノギ |
ヤツがウチに来たのは、暑い暑い夏の夜だった。トリビーと名乗る、ぬいぐるみのような宇宙人。無表情でつかみ所の無い、とてつもなく嫌なヤツ! 頼んでもないのに、余計なことばっかしやがって、俺の夏休みは一気に台無し。いや、いなくっても、たいした夏休みにはならなかったわけだけど……とか、言ってる場合じゃないんだって。悪いけど、俺はお前のこと、大ッ嫌いだからな! | 天崎 剣 |
時は近未来。 静かな社会の裏ではマスターシェージと呼ばれる人造人間が増殖し、【人の手には負えない事件】が多発していた。元警官のエバは、パートナーとして購入した少女型マスターシェージ:ウィルと共に事件を解決していく。 人間と人造人間は主従関係が鉄則のはずだったが、女好きのエバによってその禁則が崩される……? いつも無表情なウィルのわずかな変化をお楽しみください。 | 天猫 紅楼 |
イヌ・狼・ヒト。人となった孤は迷う。「人は何に為るのか」「人は機械に為るのか」と。「私は機械にならない」と。私は、「人」で在り続けることを、『自らの意志』で選択する。可憐が居る限り、私は怒りもし、人で居続けることが出来るのだろう。自らを忘れない、それが誇り、貴女は、貴女で在ることを……願っている◇2012年『空想科学祭FINAL』企画参加作品。 | あゆみかん |
彼女の過ごしたある1日は、ありふれていて、少しだけ特別。 | 有部理生 |
舞台は七十五歳を過ぎると年金の支給が止まり、八十歳以上の老人への社会保障が全て打ち切られた超少子高齢化社会でございます。頼れる身寄りもなく、一人で生きていかなければならない老人の多くはお金を稼ぐために働かなければならない、そんな社会です。 今年で七十八歳になりました私こと野澤恭子は出版社の販売促進部に勤めています。企画部が制作した新刊を多くの消費者に売ることが主な仕事なのですが、私に与えられた新刊は全く売れず、ノルマ達成は出来そうにもありません。このままでは減給はおろか、首を切られてしまいます。 そのような時に、矢萩 隼さんが私の前に現れました。彼は私に『アンドロイドを使った販売促進プラン』を紹介してきたのですが……。 |
unbelievable_kazoo |
少年明人はある日、アカシックレコードにアクセス出来るという不思議な雰囲気を漂わす少女と出会う事となる。少女曰く、その二人の出会いも既に決まっていた運命だと語る。アカシックレコードには森羅万象の事象が記録されており、過去も未来も全てを把握出来る力だと言う。だが、明人はそんな少女を不気味に思っていて――だが、ある日を境に明人は少女の力を本物だと知る事となる。 | 伍代ダイチ |
天を覆う雲によって地上に光差さなくなった世界。汚染された空気と厳しい寒さにより人々は地下での生活を余儀なくされた。 地下にある機械仕掛けの照明の太陽では作物は育たず人々は過去に作られた食料などで細々と暮らしていた。 そんな地下の街の一つ、他の街より暗いその小さな街でクーは暮らしていた。幼いながら生きるために自分を売る少女は人々から忌み嫌われていた。 そんな少女はある日、自分と同じように嫌われる、珍しい人型のロボットと出会う。 彼は作物の育たない地下で花を咲かせようとする、ロボットの癖にトンでもない馬鹿な変わり者だった。 |
uka |
我がグラファイトと、敵エクリュとの惑星間の戦争が始まって早半世紀。 当初は激しかった交戦も、今では均衡が保たれ小競り合いを繰り返すばかりのこう着状態となっている。 この停滞した状態を一気に逆転させるため、一部の武器開発研究班が極秘裏に新しい兵器を創り出す。 『勝利を勝ち取る』という建前の崇高な使命と、好奇心の探究、そして私怨という願望の果てに生み出された人工生命体。 これは、その女。 『プロジェクト・イブ』に纏わる物語である。 |
薄桜 |
2050年、人類はついに完璧な人工知能を完成させた。しかし何を思ったのか未来の人類はそれを衣服に搭載したのだ。それから数年後、自我に目覚めた衣服は彼らの同志をぞんざいに扱う人間に対し憤り『幸服な世界(ハッピークロッシング)』という「服尊人卑の思想」を持つ団体を組織して世界を支配しようとした。もちろん人間も抵抗してこれと闘い大戦争となった。 この物語は、そんな最中、ひょんなことから出会ってしまった衣服側の姫君と裸の青年、それも「衣服フェチ」という奇特な趣向を持つ彼が姫に惹かれて恋に落ち、人類と衣服が仲良しになるように奮闘する異種族…いや、生命倫理をぶっ飛ばすアクション恋愛小説である。 |
永谷立凮 |
博士は研究室に入り浸る。今日もまた、他の研究員が帰った後にひとりで考察を繰り返していた。──連作による短編集。 | M's Works |
物質復元の研究に成功した研究者が恋人を蘇らせる。復元に成功した恋人と研究者のSF恋愛物語。せつな系 | 大橋 秀人 |
二一六六年、南米のコロンビア。アマゾン海に臨むサンマルティン村に住む少年マレイは、子供の頃に父と行った南の港から望見した軌道エレベーターを忘れられず、いつも南の空を眺めていた。折しも浜辺で「監視者」と呼ばれる宇宙移民の遺体が発見される。やがてマレイは友人のベンと共に、監視者の少女エミリーと逃亡の旅をする羽目になるのだった。ジャングルの道なき道を行き、猛獣と出会い、不思議な樹上生活者や「神」になったコンピューターと出会う旅。謎の多いエミリーの目的は一体何か?監視者とは何者なのか?そして、地上人はなぜ監視されるのか?百数十年前に地球を襲った災害とは?「大破壊の日」の後、「それから」を生きる少年たちのボーイ・ミーツ・ガール。空想科学祭FINAL参加作品。 | 小田中 慎 |
僕はまがいものだ。そして、この世界は僕にとってまがいものだ。僕が本来いるべきではないこの場所を抜け出すために、僕はあらゆる手段をもって、僕がもといたはずの世界へと戻ってみせる。この巨大な「世界」という監獄からの脱出を、僕は必ず達成してみせる――。これは、「現実からの逃避」であり、「現実への逃避」である――。 | オリマリオ |
夏休みを直前に控えた放課後、麻依の前に現れた少年。 あり得る筈のない出会いに、麻依は待ち望んでいた「終末」の訪れを予感する。 決して訪れることがない、「明日」。それを何度繰り返した事だろう。 夏の夕暮れ時。心が痛くなるほどきれいな夕日の中での、一瞬の巡り合い。 ――それは、「世紀末」ブームがすっかりなりをひそめた、一九九九年七の月の出来事。 |
桂まゆ |
2050年の東京が舞台で警視庁に務める刑事が同僚の妻殺し事件にかかわることで分かる真実。的な話。ミステリー要素のあるSF | カトラス |
西暦2071年、人造楽園都市〈玲瓏城〉にて。遺伝子操作の末に生まれた姉弟「恋」と「想」は、互いの影を探して彷徨う。変形する建造物、未来の記憶、普遍文法を超えた神の言語、など。 | 神沢翠 |
私は気が付くと暗い洞窟の中にいた。暗い暗い、洞窟の中。このまま朽ち果ててしまおうかと思い始めたその時に、私に声をかけてくる一人の男が現れた。 | 狩人二乗 |
【これは、遠い遠い未来のお話です。そこには博士がいました。博士はいつも暗い夜の中、星を見つめていました。そんなある日、博士は思いつきました。『星屑を集めれば、きっと地球を明るくできる』。そして博士は……硬いものを叩き始めました】ゴミの星に住む青年と少女。青年は、声を失った少女を救うべく決意を胸に固める。その手立ては……なんと少女の持つ絵本と同じ『星屑』だった。青年と博士、地球のため、少女のために、宇宙へと船を漕ぎ出し始める。そんな宇宙泳遊譚 | 菊川噤 |
小学生最後の夏休みを間近に控えたある日、松井大輝の通う小学校では怪奇現象に遭遇した生徒が出始めてた。好奇心の強い幼馴染の彩夏と一緒に大輝はその怪奇現象を調査し始める。調査の途中で「オカルトなんて有り得ない」が持論の同級生、小野寺秀も加わった。怪奇現象の噂が日の経つごとに連れて大きくなる中、大輝たちは一つの結論に達する。果たして怪奇現象の正体は!? | 木村心哉 |
エネルギーを自供自足できる都市を選定し、実行する政策を開始してから三十年――その都市の一つである東波市の大学院に通っている君恵は、海外で若手研究者として活躍している学と出会い、久しぶりに大学に来た彼の道案内人を引き受ける。その途中、ある研究棟で変わった石を拾い、不思議な音が聞こえてくる光の方へ歩いて行くと――なんと六年前の過去に戻ってしまっていたのだ。やがて現代へ帰還するために奔走する中、二人にとってゆかりのある姉妹と邂逅する……。 優しくも切ない過去と現代を生きる人たちの物語。 |
桐谷瑞香 |
此処は島国、レイン王国。この王国には大昔に滅びたと言う古代文明の跡地や遺跡が多く残されており、その跡地や遺跡からは魔具(まぐ)と呼ばれる魔法の道具が多く発見され、国の繁栄に多大な影響を及ぼしていた。そして、その魔具を求め、はたまたスリルを求め、危険な跡地や遺跡に踏み込んで行く冒険者がこの国に集う。そんな中、同じく魔具を求め、レイン王国に進軍を開始した隣国のマガ・ラセ帝国との一触即発の緊張した状況が続いていた。 | Killgusa |
街外れに住んでいた一人の変わり者の博士が、一体のロボットを作った。まるでどこかの国の貴婦人のように幾度となく倒れるそのロボットを、博士は『ダーマ』と名付けた。それはいつかの時代の終わりと始まりの物語。 | 楠瑞稀 |
少女は目が覚めると知らない部屋の中にいた。カプセルの中に閉じ込められていた少女を助けたのは、人間サイズの猫の姿、獣人の少年タンゴだった。二人がいた施設の中は見たこともない、使い方もわからない機器でいっぱいで、外に出る方法もわからない。一緒に脱出の手がかりをみつけようというタンゴの提案に乗って、少女はタンゴと共に捨てられた施設を探索し始める。だが、タンゴが嘘をついていることに気づいてしまい… | 黒松夏樹 |
(この作品は削除されています) 現代に生きる女子高生、篠原葵はこの世界に憂鬱を感じていた。しかし学校からの帰り道、通り魔に殺されてしまう。自分の全ての終わりだと確信し、目を閉じた。だが、彼女は他の世界に生きることを許されたのかのように、再び目を開ける。その目の前に広がっていた光景は、悲惨なものだった。倒れている女性。そして、その返り血を浴びる少年。 この出会いが、全てを狂わせた―――。 |
黒宮 風羅 |
僕のクラスメートに優曇華沢時雨さんがという女の子がいるんだけど彼女が何者なのか解らないんだ。ただ解っていることは「優曇華沢時雨さんだから仕方ない」。それだけ。 | 珈琲中毒 |
人類が地上を破壊してから二十年、生き残った人々は安全な居住地を求め、地下に潜っていた。そんな世界で職業“怪盗”を続けるヤオの元へ舞い込んだ一本の依頼。それは、とある財閥会長が所有する“妖精”を盗み出して欲しいというものだった。そして出会う一人の少年・ユキ。ユキの不可思議な言動に振り回されながら、ヤオは少しずつ真実を知ることになる。 | 狐楪 |
2×××年、とある装置が完成された。 世界的、いや宇宙的といえる大発明に世界中の人々が歓喜した。 その発明によって、明るい未来が訪れる__はずだった。 この話は、とある男が残した手記の、その断片である。 |
今宵 |
植物学、農学の権威サンチェ博士は歩く農産物を造りあげた。助手のジェトーリオはこれが農業を変えられるのか疑問に思っていた。だが野菜泥棒がその歩く農産物の畑に入った時に。 | 坂田火魯志 |
「厚生労働省の方から来ました」 ニート歴八年の俺のもとに女が尋ねてきた。もはや年金制度が破綻した世の中。若いものにニートをさせておく余裕なんかないのだと言う。かくて俺は管理職養成マシーンの力を借りて、老人たちを従える工場長として働くことになった。 | 沢木香穂里 |
死んでも俺たちは忘れないだろう。 2012年5月5日――当時高校二年生の俺たちが死んだ日を。 あの時、あの場所で、あの人と出会ったが最期。 俺と、その同級生でもあって親友でもある濱田千秋は、ともに帰らぬ身となったのであった。 しかし、物語はそこで終わるほど単純明快というわけではなかったらしい。 どうやら今までの17年間はその序章だったようだ。 2012年5月5日。 俺たちの物語の第1章が幕開ける……。 |
シグレイン |
四月の終わり。大型連休前半の吉祥寺は、例年以上の暑さを記録していた。 観光客で賑わう街のそこかしこに、地球を監視する宇宙人が隠れ住んでいるのはいつも通り。 けれど、彼らの地球上でのいざこざを調停する相談役は、ボロアパートの一室で大往生を遂げていて。 そんな中、新しい相談役が決まるまでに起きた、猫と人形のちょっとした事情の話。 |
時雨煮 |
突然勃発した植物の爆発的増殖は、首都圏を中心として同心円状に拡大していった。街を呑みこみ、交通機関を麻痺させ、ライフラインを断絶していく緑の津波。 郊外で家族と一緒に暮らしていた高校二年の沙羅(さら)は、夏休み中だった為に、たった一人自宅で孤立無援の状態になってしまった。ところが、沙羅にはこの緑の津波事件に関わっているのではないかと思われる秘密があった。彼女はUMP(未確認植物)の月人(つきと)と、随分前から一緒に暮らしていたのだ。 |
招夏 |
「なあ、こんな話を知ってるか」相変わらずの友人からの言葉。訳が分からないその単語の数々は、次の瞬間、俺がどこに属しているかを分からなくさせる。でも、それを考えるには、俺には十分な時間がある。他の世界があろうがなかろうが、今、この場にいるのは間違いなく、この俺だ。それに代わりはない。だから俺は気にしない。他の世界の俺がいたって、なにも分からないわけだし。 | 尚文産商堂 |
刹那の死など要らない。欲しいのは永遠の終焉。目覚めることがない闇。なのに私の人生を、魂を、そんなにもあなたは望む。逃げることが許されないなら、あなたの中に消えてみよう。どうぞ、おいしく召し上がれ。 | じょーもん |
彼女は金を借りようとしていた。しかしながら、いつもなら必ず現れる研究所の食堂に父親の姿はない。助手をしている、というよりさせられている幼馴染みを捕まえて聞いてみると、彼奴はBFと称する実験機に入ったらしい。気乗りしない幼馴染みを巻き込んで、彼女は私欲の為に決意を固める。だが未来を見せるBFへと吶喊する二人は、その先に待つ黄色い世界を未だ知らない。 | 栖坂月 |
電子書籍が主流となり、紙の本は前時代の遺物となった未来の日本。一つだけ残った図書館に祖母の読む本を借りにくる傍ら、自らも本を読む女の子(中学生)と受付用AI搭載アンドロイド(外見20歳・男)の日常。 | 鈴鳴月 |
記憶のメカニズムが明らかになりつつある世界。 記憶をパソコン等でも扱えるデータとして保存する事も可能になっていた。 そんな中、大学の研究グループが他人の記憶を自らの記憶として持つ事が出来るようになると発表した。 平凡な大学生活を送っていた神野司はある日突然命を狙われる。 その理由は司がある人物の記憶を持っているためだった……。 |
スラ☆ラノ |
第2次世界大戦と太平洋戦争終決後、敗戦国日本は勝戦国アメリカ合衆国に支配され植民地化されてしまう。日本国は奪還を求め2012年、再び第2次太平洋戦争を仕掛けるが当然の如く敗戦してしまう。第2次太平洋戦争に敗戦した日本国はアメリカ合衆国にディストピアを築かれてしまい、植民地以上に自由と権力を奪われてしまう。そして時は2014年。レジスタンス名アルディミアのリーダー、桜野 小苗は仲間とともに自由と権力を取り戻すために銃器を手に、巨大国家アメリカ合衆国に立ち向かう。 | 赤山直人 |
ーー死神。 かつては、死期が訪れたものを迎えるためにそのもの の側に訪れるという。 その、死神の血をもつ少女、ウィリア・モノクローム は人々の常識を覆すために『狩り』を繰り返してた。 だがその行動が仇となり、彼女は『都市伝説』となっ てしまい、人々を震えあがらせた。 そんな中、死神が震える事態が起こる。 ーーアンダーデス。 政府によって作り上げられた死神殲滅機関である。そ の登場により、殺されていく死神を見ながらウィリアは 、『死神』としての存在意義について考え始める。 ーーそして、たどり着いた答えとは | 蒼条瀬奈 |
過ぎ去った五年の軌跡。 | 泰然寺 寂 |
――ある日突然、全てが不自然に思えた――
イネルが目を覚ますと、大きな屋敷の中にいた。以前の記憶はまるでない。屋敷にはディナイという少女と、屋根裏から出ようとしない類似品を思わせるほどソックリな風貌をした三人の男が住んでいた。屋根裏にこもる三人は執拗にディナイを排除しようとし、イネルにも関わるなと強く忠告する。一方のディナイはふわふわと可愛らしく笑い、三百年近く一人だったと寂しそうに涙を流す。ディナイに対し、そこはかとない愛情が湧いていたイネルが聞かされたディナイの正体・過去とは? ちょっぴり歯がゆい恋のお話です。 |
高田 ろう |
白衣をまとった男が一人、なにかを作る。男が持つ技術とは。そして出来上がった物とは。希望に満ちた夢の形。未来の形。 | 武倉悠樹 |
もしも戦場にいるロボットに人間の感情に近いものがあったら | 旅人 |
現実と空想、ミクロとマクロ、そして量子と物理。各々の地平線を昇降する『アインシュタイン・エレベータ』これに乗降する女と男、もとい、人妻と猫。彼らはそこで何を成し、そして何処へ辿り着くというのか。 | 檀 敬 |
「私のものになれ」 特異な美貌を持つ上官によって命じられるまま、軍神と呼ばれた少年は人型陸戦兵器コアを駆り、異常な戦果をあげていく。 機体に取りつけられた各種センサーによって仮想化された外界。あらゆる情報が現実感を失っていく中、少年は見えざる意思を感じ取るようになる。一方、本部も不審な情報の群体を掴み―― ロボット×ヤンデレのSFです。 |
月島しいる |
〈五秒後にこの世界は滅びます――〉そんなアナウンスが、どこからともなく世界中に響き渡りました。世界のみんなは大混乱。彼女たちの幸せは、未来は、いったいどうなってしまうのでしょうか。一刻も早く解決策を見つけ出さねばなりません。なにかいい方法はないのでしょうか。なにか――はい。五秒じゃなにもできません。 | 鄭文ういな |
人類は『神並者』と称された至高の科学者、N博士が編み出した究極の理論――通称『不老理論』により、永遠に近い寿命を得ることに成功した。しかし、その理論は多くの『犠牲』を前提とした非人道的理論であった…… | 灯月公夜 |
調は白兵になった。操は原野に消えた――音に触れ、歌を味わう人々の中に、唐突に生み出された歌うことのない旧人類の兄妹。やがて妹は都市から投げ出され、追い縋る兄は旧時代の機械を討つべく原野に降り立つ。楽理奏でる州都から、すべての孤立せし"雪火野"へ。生誕の場所、血のルーツ――自らの原点たるその地で、かつての少年は銃剣を手にする。 | 俊衛門 |
神の呼び声に群がる求道者たちに、天使は何をか囁かん——。 世界中に天使が出現している。離婚調停中の女性カメラマン・ランカと、彼女を慕う科学ジャーナリストのティエン。二人は「天狗のDNAを解析した」という日本人科学者、九角亘の情報を手に入れ、冬の京都へ取材に向かった。取材中、別れたはずの夫に連絡を入れるランカに、ティエンはイライラしつつも近づくことができないでいた。 かつてブラジルで、彼らに「天使」の秘密を撮られた「奇跡査問委員会」のニコルも日本へ向かっていた。彼は九角亘に接触し、共同研究を申し入れる。 鳥類とも哺乳類とも異なる進化を遂げた生物「ペルルブランシュ・ニューラルジア」はそんな彼らの前に出現するーー見えない彼らの羽を求めて、ランカはレンズを被写体に向け、時空を彷徨うことになる。 人類史と考古学を下地にした、日本の「天狗」を巡る空想科学小説です。 |
tomoya |
「スーパーフレア、星間ダービー、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」 すでに地球は人の住める場所ではなくなった未来。ブライトエイジアの諜報員「ガルーダ」は星系に絶大な影響を及ぼし始めた「ニューブディズム」の総本山に潜入する。目指すは本山に隠された「超機密」。しかし、総本山は悪名高い山法師、すなわち僧兵をはじめ、人々から「僧頭の鷲」と畏怖される鷲鼻の大僧正率いる魑魅魍魎が跋扈する場所だった。 |
鳥野 新 |
ぼくの彼女がしたことについての話です。 | 七篠朋次郎 |
僕は受験勉強で忙しい毎日を送っている。そんな日々の中にある最近の楽しみは、とあるラジオ番組だ。毎晩決まった時間からスタートするその番組は、いまいち盛り上がらないトークと、あまり上手くない歌で構成されている。だけど僕はなぜか夢中になっていて、今夜、初めてメールを送ってみることにした。ラジオネームは、“星の勇者の弟子”。 | 虹鮫連牙 |
とある町の中、一人の少年が消えてゆこうとしていた。そんな彼の回想がメインとなる物語です。現実的でない似非科学が出てきます。 超常的・非科学的な拳銃と、個別の特殊能力を持つ一発の弾丸をセットで扱う『BULLET SYSTEM』という技術が世界には普及していて、作成元は日本の政府です。 日本では国民の一人一人がこれを所持し、いろいろなところで使用しています。 主人公は政府が技術を国内に広めるために作り出したスポーツ『BULLET STRUGGLE』の選手で、来る全国大会を戦います。 |
nik |
(しぬっ!しんでしまう!なんだこれっ!)仁科 将《ニシナ ショウ》は、心の中で悲鳴をあげた。ショウはその日、ひさしぶりの敗北を喫した。その相手は、女性プレイヤー『カラス』。ゲームのために毎日朝6時からトレーニングに励んでいるショウとしては、負けっぱなしではいられない。敗北後、ショウは即座に再戦の約束を取り付けた。 その日から2週間が経過した。今日はそのリベンジマッチの日だ。 これは、ゲームに人生をかけたバカな男の話。 | ねぎ |
きをつけろーねじがでるぞー。ねじのまちでは螺子職人、螺子商人、螺子漁師たちがまいにちネジを削り、回し、流し、集め、捨て、別れ、時には戦い、誓い、諦め、それでもネジは抜けません。 | 海苔島まさぴ |
近未来。二人の天才の出現により、シミュレーション技術が発達し、人々の生活はさらに発展した。その高度なシミュレーション技術の礎となったのが『バトルシミュレータ』、いわゆる体感型格闘ゲームであり、年齢を問わず莫大な数のユーザーが存在していた。当然、一高校生である夜下朝治(ヤシタ トモハル)も例外ではなく、娯楽として日常的に利用していたが…。 | Hi-Gerus |
西暦2945年、地球はかつてない戦乱の渦に巻き込まれた。 だがしかし、物語は戦後67年経った3012年に始まる。 勝利星生物ンヴン人と敗戦星生物ホモサピエンスの間に生まれた新・地球人、ショウジ・ショオジ。 木星の嵐の中、戦中に改造されたサイボーグ:ダン・ダンと出会うところから、物語は始まる。 秩序と平和とは、それを壊す最後の侵略者の正体とは? |
84g |
世界を救う勇者の物語。または世界を滅ぼす魔王の追想。そして世界を変える魔法使いの呪文。あるいは何も起こらない日常系。翻ってはメタな視点で話す形而上の話。加えて避けられない過去の悲恋。反しては一途に成就を目指す純愛。それ以外だと不審者の正体を探る推理物。何よりも未来へと思いを馳せるSF。総じて青いお姉さんと、一夏の交流の記録。 | はのれ |
二十一世紀後半、海辺の観光都市・セントレア。市警察の新人捜査官レイが配属されたのは、〝はみ出し者の吹きだまり〟と称される特捜班だった。相棒はくせ者の先輩捜査官、ハル。初日から衝突続きの即席コンビに、待ったなしの事件が次々に襲いかかる。サファイアの瞳のメイドが導く先に、ふたりを待ち受けるものは? ハルの秘密が暴かれるとき、特捜班に最大の危機が訪れる! ――ちょっと未来の街を舞台にした、すごく(S)ファンタジー(F)な「なんちゃって刑事ドラマ」です。失笑しつつお楽しみください。 |
早川みつき |
鳥から進化した種族・トゥトゥ。彼らは地上に文明を築いたのちも、いまだ自らの翼で空を飛び、そのことに誇りを持っている。初夏になると若いトゥトゥたちはいっせいに北の大地をめざして旅立つ。 生まれつき抱える障害のために飛ぶことの出来ないエトゥリオルは、地上からいつもひとり、大空を舞う同胞たちを見上げていた。 ある日、友人から誘われて、異星人の居留区に出掛けることになったエトゥリオル。そこで彼が見たものは、空高く舞う、銀色の飛行機だった。 |
HAL.A |
創也が手に入れたのはパラレルワールドを行き来できると言う不思議キャンデー。創也はそれを使って自分が始めて当てた宝くじを増やそうと画策する。しかし、創也が行ったパラレルワールドには彼女と歩く自分の姿が!あと、俺が暗い、暗すぎる! これは何とかしなくては! 主に俺を。 | かぼちゃの骸 |
アタシはシャスン。運送船エン・ケラフ号の宇宙船付き猫。家族的なクルーの中、新しく入った乗組員がケチのつき始めとして、その航行は何だかおかしな具合になっていった。 | 平 啓 |
人類が宇宙進出をはじめて、はや数百年、らしい。 で―― 俺は宇宙軍中佐、桑原。22歳にして特務巡洋艦「鬼怒九号」、通称KKの艦長を任されちまった。 今回、銀河をちょっとだけ間借りする我らが地球同盟代表として、銀河のちょっとした勢力であるナブロクレという宇宙人相手に、ちょっとばかり取引しに行くことになった。 モノはと言うと、ナブロクレのお家芸である「転送機」だ。そのデモンストレーションと、物々交換での調達ってことで。 この取引は俺、つまり軍艦がでるってだけでキナ臭いのに、今回はエース級のテレパスまでサポートで派遣されることになってる。 さて、どんなテレパスが来るんだろうか。できれば美女希望、っと |
ぷよ夫 |
世界を改変させ、全てを破滅へと導く堕天使の降臨。業平亜輝が三年前に別れた幼なじみとの再会。少しずつ変化を遂げる『舞踏の件』の通り魔の動き出し。三年の月日を経て、再び舞い戻ったマジックプリズムの胎動。そして、最強を名乗れる称号を持つ奇術師同士のぶつかり合い。運命の歯車に見放された者達が今、一瀉千里に交わり合う。そんな中、『道化』と『殺し屋』の二つの顔がある一人の奇術師はある選択を迫られる。“残光の漆黒”と“輪廻の祝杯”、災厄と戦慄、破滅と残酷、混沌と調和、様々な真実が四季巡る離島を支配する中、全てが動き始める。そして、“嘘つきの奇跡”が絶望の果てから見出だした答えとは……。 | 舞原夏奈悠 |
伝説のソロモン王は、大天使ミカエルに指輪を授けられたという。 王は指輪の力で天使や悪魔を使役し、動物の言葉をも解したと伝えられる。 これは、その指輪を現代に蘇らせた先輩と、彼女に振り回された僕の顛末記。 |
右野 前条 |
無類の鳥好きで知られる安藤は、将来を彼女と約束する。 その矢先、慣れ親しんでいたはずの鳥から襲われて――。 ※若干のホラー要素を含みます。 |
水沢 流 |
むかしむかし、あるところにロボットたちが住む街がありました。 | Mr.あいう |
オッキナ・チチスキー博士はある日にわか雨に会い、びしょ濡れになった女性の姿を目にし、濡れ透けに開眼した。博士が新開発した装置を運ぶ仕事を受けた佐川ヤマトは、装置を狙う敵対組織に襲われる。 | 緑乃帝國 |
7月28日深夜2時、こんな夜更けた時間にも関わらず外にいた。辺り一面には闇夜を照らしてくれる街灯の明かりすらない。けれども暗いとは感じていなかった。見上げる先には夜空一面に散りばめられた無数の光。その中で動く一条の輝き。流れ星だ。これをみるため外にいた。水瓶座デルタ南流星群、7月末から8月上旬にかけてみられる夏の流星群。これが見たいがために何もない田舎の、小高い丘の上に来ていた。もう一条光が流れる。強い輝きだなと思った10秒後には気を失っていた。 | 337 |
宇宙人の実在を信じる人々に対する取材、という形を取るフェイク・ドキュメンタリです。 | 百 |
西暦二〇五〇年、世界規模でエネルギー不足が深刻化するなか、アキハバラに住む小学五年生の柏崎冬奈は、エネルギー消費規制によって不自由な暮らしを強いられる現状に憤りを感じ、国際エネルギー会議の窓口に抗議文を送りつける。国際会議の場で、冬奈の抗議文に共感した国際核エネルギー機関のバックレー長官は彼女を核融合親善大使に任命する。五〇億ドルの資金を費やし開発された核変換ステッキで冬奈はヘリカルコイラー∞フューナに変身、サポートアニマルの一五六号と共に、核融合推進を掲げ、核エネルギー制裁なる活動を開始する。 | 山鳥はむ |
物語というのは、人と人が出会う数だけ、無限に滞りなく広がり、それだけ量も日ごとに増えていく。なので世の中に出ている物語はほんの一握りで、まだ日の目を見ていない物語はたくさんあるはずだ。これは、SF(すこしふしぎ)な世界での、人々の今までSF(秘密の物語)だった物語の短編集である。空想科学祭FIANL記念作品。 | ヨエ団@TFEI |
遠い未来、人類は文明を崩壊させた。そして、人は空と大地に住居を分かつ。 それから数百年。人類の混乱は無く、世界は新しく魔法という不確定要素を持ちながらも安定していた。そんな折に浮島から12個の光が降り注ぐ。これから始まるは短い旅。 弱気な青年ホークと、流れの庸平オウル。 二人が交わる時、アクションが起きる。 |
頼道三歩 |
時は24世紀、22世紀初頭に起きた<第一次魔法・超能力発達期>により、人類は魔法や超能力を使えるようになっていた。 そんな中、高校生活半年の少年九頭龍はある重要な悩みを抱えているのだがその悩みとは… | リアロ |
サイボーグで人を殺すマシンとして使われていた6号は脱走してあるスラム街についた。そこで、駄菓子を売る家族に世話になる6号はこの生活がずっと続く事を願うが……。 | 李仁古 |
ひとはパンのみにて生きるものにあらず(「マタイ伝」第四章より) お祭りだもん、一人くらいこんなバカがいてもいいよね、ね (´・ω・|||)? | りきてっくす・ふぁいあー!! |
文献史料がほとんど残っておらず考古学的手法でしか実態に迫れない「陶金併用時代」に関する講義の備忘録。陶金併用時代とはいかなる時代であったか、そして、現代人はこの時代をどう捉えるべきなのか。もしかしたら、現代人が捉えているこの時代の像は、現代人による勝手な虚像に過ぎないのではないか……。そして最後に至る予定調和までの物語。 | リベンジャーK |
近未来の日本は、疲弊していた。人生の負け犬とよばれてもおかしくない中年の男、結城稔もまた疲弊していた。彼が再起をかけて探しているのは第三オアシスと呼ばれる数だった。その数さえ見つければ、名誉を挽回できる。その数さえ見つければ、悲恋を封印できる。そう思っていた。だが、その数は、国を復興し、世界に変革を起こすやもしれぬ数だった。そのために、結城は狙われ、逃亡する。新たな仲間の危機、裏切り、切ない思い出。すべてに決着をつけるために罠の中に飛び込んでいく。 | 流山晶 |
――果たしてこれは、現実なのだろうか? いつも通りの日常、いつもの毎日…そんな惰性で過ごしていく現実の中に価値を見出すことができない青年『藍堂 想助』、そんな彼が体験するのは、どこか現実味のないひと夏の非日常―― その中で彼は、どうしても自分自身の存在に確信を持てない少女『姫ノ宮 ありか』と出会う。――これは、そんな彼らと彼らの仲間(?)達による(非)現実感溢れるお話。 |
Reon |
3D映像が高校の授業でも使われるようになったこのご時世。飛び出す数学の図形、飛び出す英文字、飛び出す黒板など、様々なものが3D化されていた。そんな学校での、ちょっと不思議な物語。 | 恋夢 |